2010年12月11日土曜日

都の改正案 賛成派と否定派の溝

講談社、小学館、集英社などの大手出版社が、来年3月開催予定の「東京国際アニメフェア」への不参加を表明した。「非実在青少年」を巡る議論で一時話題になった東京都の青少年健全育成条例改正案に反対姿勢を打ち出すためである。

都の改正案は修正を経て、その条文から「非実在青少年」という文言が削除されたが、それでも解釈に恣意性を生じさせるような曖昧な表現が残されている。改正案に反対する法律家たちは、もしこの条例改正案が可決されれば、これが引き金となって、性描写に留まらず行政による表現規制が不当に厳しいものになりうると警鐘を鳴らす。

「性犯罪の描写が青少年に悪影響を及ぼすから規制すべきだという論理が通れば、他の暴力・窃盗・薬物などといったあらゆる犯罪の描写も法的に規制できることになってしまう」と語るのは弁護士の斉藤シャブ夫氏。「このままいけば、ルフィは『海賊王に、オレはなる!』とは言えなくなり、代わりに『海保長官に、オレはなる!』と口走りはじめ、ゾロは銃刀法違反、サンジはストーカー規制法違反で逮捕されることになり、あげくチョッパーは保健所にぶち込まれるだろう」

一方、都議会議員で改正推進派の銅夏食べ子氏は次のように語る。「多感な子どもたちへの影響を考慮すれば今回の規制案はきわめて妥当。私は子どもの頃にアラレちゃんを読んで地球(ちたま)を割ろうし、右手を骨折したことがあった。子どもに間違った知識や感性を植え付ける出版物を野放しにするべきではない」

この条例改正案を巡っては反対派と推進派とが当初から感情的な対立を続けてきた。しかしそろそろ法律的な観点からこの論争に決着をつけるべき時である。来年1月に行われる両派による討論に注目が集まっている。なお、討論はエロマンガ島での開催が予定されている。

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