書店でたまたま見つけて買ったのですが、読み始めてすぐ惹き込まれました。突拍子もないストーリーに超個性的なキャラクターがたくさん出てきて、私にとってはごちそうです。
舞台はブラジル。日本人のカズマサがやってきて、仕事を探すというあたりから物語は始まります。語り部はなんと、カズマサの目の前に浮遊する謎のボール。このボールはあらゆることを知っており、他の人物のことも次々語っていくのです。
登場人物はざっとあげるだけでも、敏腕会社員で3本の腕を持つJ.B.、巡礼によって奇跡を起こすシコ・パコ、伝書鳩の一大通信網を作り上げるバティシュタ、羽学の始祖であり権威のマネ・ペーナなど、わけのわからない人々ばかり。
そして、話の中心となるのはブラジルの奥地に突如出現した謎の黒い物体マタカン。このマタカンを主軸として、かれらの群像劇が展開されていきます。
あまり詳しいストーリーには触れませんが、次々にいろんな人物が出てきて話が大きく展開していくさまは圧巻です。こんなにぶっ飛んだストーリーの話にはなかなかお目にかかれません。
さて、なぜ私が書店でこの本に惹かれたのかと言いますと、もともと私が好きだった小説、マリオ・ヂ・アンドラーヂ『マクナイーマ つかみどころのない英雄』との類似性を感じたからです。『マクナイーマ』はブラジル人がブラジルを舞台に書いたもので、とんでもない内容の本でした。ぶっ飛び具合でいうとこちらの方が上。それで、『熱帯雨林の彼方へ』も手に取ってみたという次第です。ブラジルという土地は人間の想像力を飛翔させる何かがあるのかもしれません。
よければ読んでみてください。
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