ここ二週間ほど、投資について勉強している。
もともと株については知識がほぼゼロだったが、超入門のような本から手をつけ、十冊ほど読み、だいたいの概要はわかった。基本的には安いときに買い、高くなったら売る。このトレードで差益を得る。あるいは配当金を受け取る。こうして儲けるわけだ。
少し本を読むと、個別の企業の株だけでなく、投資信託というものが存在しているとわかった。これは組織に属するプロの投資家の人たちが個人の代わりに資金を運用してくれるというものだ。たとえば日経平均株価やトピックスといったものに比例するような率でいろいろな株を買い、それを分割したものを、私たちは又買いすることができる。これをインデックスファンドやらETFと呼ぶ。これにより、ひとつの銘柄に投資した場合のリスクを避けることができる。
といった具合に、細かな知識はいろいろついた。けれども、まだ根本的に疑問が残っている。それはこういうことである。
結局、株式投資は運なのか? あるいは技術なのか?
この疑問が解消されない。
たとえばつい先ほど読み終えた『全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド』(朝日新書)によれば、上で述べたような、株式市場全体に連動するような投資信託を買うのが結局はいちばんいいという。つまり、個別株を目利きして売買しても、結局は儲けられないという前提である。下手にリスクをとるくらいなら、年利4%程度でもいいから無難にインデックスファンドやETFといったものを買いましょうよ、ということである。
この話には信憑性がある。だが、一方で退屈でもある。「こちとら株取引で億万長者という、わらしべ長者的な話に惹かれてんだよ」という飽き足りなさが湧いてくる。
そこで気持ちを持っていかれるのはやはりテレビやネットで時折話題となる若き株長者たちのサクセスストーリーだ。まだ二十歳そこそこで、しかも元手100万200万程度でトレードを開始し、数年で資産数億、数十億、はたまた数百億。そんな夢を実現したBNF氏、神王リュウ氏、さらには与沢翼氏にいかんともしがたい憧れを抱いてしまう。
冷静に考えれば、こう解釈するのが妥当である。つまり、彼らはただ運によって成功しただけである。同じようなことをした何千、何万という人の中から、たまたま成功した人が我々の前に姿を現しているにすぎない、と。
ただ一方、別の疑念も湧く。正直、BNF氏と神王氏はそうした偶然によって出てきた人のようにも見えるが、与沢氏は事情が違う。彼はもともと情報商材の世界で大成功し、メディアにもよく露出していた有名人だ。そんな人物がただ偶然で成功したとは考え難い。テレビではあまり伝えられないが、彼は度外れた努力家、勉強家であり、ただの運頼りに走るような人間ではない。
となると、やはり疑問は深まるばかりだ。
株式投資は、ただ偶然性によって支配されるギャンブルにすぎないのか。あるいは、よく勉強し、調べ、自分の頭で考えて、さまざまな技術を身につければ勝てる性質のものなのか。この単純な二者択一が、まだよくわからない。
しかし、最初からギャンブルと思ってしまったらおもしろくない。とりあえず、しばらくはそれをひとつの技術、大げさに言えば「道」(空手道とか柔道とかの道)と捉え、調べてみようと思う。
ちなみに、今日はネットの証券口座を三つ開設した。ほどなく書類が届き、いつでも投資できる状態になる。ひとつ問題があるとすれば、投資のための元手が2万ほどしかないということくらいである。
こんにちは。
返信削除僕も株には興味あって、与沢や神王さんの動画ほぼみました。
与沢さんはかなりの努力家ですね。
自分は金銭的に余裕ができたら、その余剰金で投資を始めようと思い、只今仕事ばっかしてます。読書時間削るのが苦しいですけど(笑)
P.S. 筒井康隆で一番好きなのは夢の木坂分岐点。安部公房の密会面白いですよ♪ ではまた
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
返信削除しっかり資金を貯められているのですね。僕などそんなつもりもなくただ口座を開設してしまいました。儲けるというよりは金融や投資のことを勉強できたらな、というつもりでいます。このごろ小説はあまり読んでおりませんが、西村賢太は大好きです。