今年、お笑いではどぶろっくと日本エレキテル連合が大人気を博しましたが、そこでつらつらと、なぜこの二つが日本人にうけたのか、理由を考えてみました。そこで気づいたこと。それは、どちらもダメ男を題材にしているということです。
どぶろっくの歌は意識過剰な男の妄想であり、エレキテルの方は寂しい中年男性を題材にしたコントです。どちらもあまりもてそうもない男性をモチーフにしております。ここに何か鍵があるにちがいない。
そこでしばらく考えて思い至ったのは、そういうもてない男、ダメな男を主題とすることが、女性に対するある種のおべっか、お世辞になっているのではないか、ということです。男性と女性によって構成される恋愛市場の中で、男性を劣位のものとして描けば、それは相対的に、女性を優位に押し上げることになるでしょう。これが世の中の女性に快く受け入れられたのではないか。
同じような構造のものとして、森見登美彦の作品も挙げられるかもしれません。彼の作品もヘタレ男子大学生を主人公として、その生態を描いたものですが、女性うけがいい。やはりこれも、男の地位を下げてみせることで、女性読者の心理をくすぐるものになっているのだと考えられます。
また、今年はアナと雪の女王もメガヒットを記録しましたが、これも考えてみると女性のつよさを描いたものでした。作中ではひどい男(王子様)がアナによってこらしめられるのです。そして、この作品も主に女性客にアピールしたのでした。
では、なぜこうした女性を持ち上げたコンテンツが流行したのかと言えば、それはやはり、現実には恋愛というゲームの中で女性がだんだん劣位に置かれてきたからだと考えられます。バブル期には恋愛において女性が最高度に優位におりましたが、その後、女性は恋愛市場においてじょじょにパワーを失ってきています。そうした現実における不満感が、逆に、女性のつよさと優位を描いたフィクションがはやる素地になっているような気がいたします。
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