無職となって一週間、だいたい一日に二、三冊のペースで本を読んでいる。読書に没頭できるのは何より幸せだ。他にやったことと言えばヒゲソリで右手中指を切ったのと風邪を引いたこと。そんな充実した日々を送っている。
さて、仕事を辞める前は、辞職後にサラリーマン生活についていろいろ考えようと思っていたのだが、案外もう考えることがない。総括はほぼ終わっているかのようだ。けれどちょっと心に引っかかるのは交通費の問題である。
交通費。あまり取り上げられない話題だが、しかし大きな問題だ。
学生時代、私は家庭教師のアルバイトをしていた。仕事の報酬は会社から委託費というかたちで払われていたのだが、交通費は家庭から直接もらうシステムだった。そこで、おおかた実費をもらうことにしていた。一回行くと、往復で600円とか800円とかが多かった。
けれどときどき迷うことがあった。公共交通機関を使えばバスと電車で往復1000円ほどかかるが、自転車を利用すれば往復で400円ほど浮くというケースがしばしばあったのだ。なので私は、いくらか罪悪感を覚えつつも自転車をこぎ、余分な交通費を懐に入れていた。
先日まで勤めていた会社でも、交通費に関しては一悶着あった。自宅から職場までは電車で一駅あるので、一駅分の交通費を会社から支給してもらっていたのだが、あるときから自転車で通うようになり、定期は買わずにその分の交通費は懐に入れていた。しかしやがて上司に見とがめられ、使用しないのに定期を買うはめになった。結局のところ、その定期代はJRの丸儲けである。
どうも交通費というもののシステムがよく分からない。職場までかかる費用を雇用主が負担してくれる。これはありがたい仕組みだ。だが、本来公共交通機関を利用すべきところを徒歩や自転車で移動した場合、その費用は懐に入れてもいいのではないか、とも思う。
気になったのでいまググッてみた。バス・電車を利用すると申請して自転車で通い、交通費を着服するのは詐欺や横領に当たるらしい。私は詐欺師だったようだ。ただ、交通費を満額もらいつつ金券ショップで安いチケットを買って利用することはだれも問題にしない。「賢い節約」の範疇で語られている。どうもよく分からない。
何にせよ、もうしばらく交通費も給料ももらうあてはないけども。
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